一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものを言います。【貨物自動車運送事業法第2条第1項】
つまり、トラックを使用して他人から運送の依頼を受け、荷物を運送し、運賃を受ける場合のことを指します。
一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣または地方運輸局長の許可が必要です。
1. 許可要件の調査・調整
5台のトラック、営業所、休憩・睡眠施設、車庫、運行管理者、整備管理者、必要資金などを要件通りに準備します。
役員、関係法人の欠格要件を確認します。
2. 必要書類の収集
・定款
・直近の貸借対照表
・銀行の残高証明書
・営業所、車庫の賃貸借契約書
・車両のリース契約書・見積書
・車検証
などを揃えます。
3. 申請書類の作成
4. 申請書の提出
申請してから許可がおりるまで、通常5か月かかります。
5. 役員法令試験の受験
申請した月の翌月以降の奇数月に、法令試験を受験します。
例えば、10月に申請した場合は、翌月の11月に法令試験となります。
登記されている常勤役員の1名が合格する必要があります。
6. 書類審査
・2回目の残高証明書を提出します。
1回目の提出:申請日の1ヶ月前から申請日の間で任意の日
2回目の提出:運輸局からの連絡日以降、事業者任意の日
※預金残高証明書の残高が、申請時の資金計画に記載した必要金額を下回らないようにします。
※必要金額は、申請書提出時から許可日までの間、常時確保されていることが必要です。
7. 許可証の交付式・講習会
許可証が交付された時点では、営業開始はできません。
8. 登録免許税(12万円)の納付
9. 「運行管理者・整備管理者の選任届」提出
この時点で、運行管理者、整備管理者を確保することが必要です。
10. 「運輸開始前 確認報告書」提出
・この時点で、運転者5名を確保することが必要です。
・社会保険の加入(運転者、運行管理者、整備管理者)
・労働保険の加入
・営業所・休憩睡眠施設・車庫の整備 ※この時点で、整備することが必要です。
・事業用車両の登録準備 ※この時点で、車両を用意することが必要です。
11. 「事業用自動車等連絡書」の発行
連絡書は、保有する自動車を緑ナンバーの事業用車両として登録してもらうために必要です。
12. 車検証を自社名義の緑ナンバー事業用に書き換える
・「事業用自動車等連絡書」を持参のうえ、営業所を管轄する陸運支局または自動車検査登録事務所へ行きます。
・事業用自動車等連絡書の有効期限は、発行の日から1ヶ月です。
・任意保険に加入します。(対人無制限、対物200万円以上)
13. 「運輸開始届」、「運賃料金設定届」の提出
・運輸開始後30日以内に、両方提出しなければなりません。
・運輸開始届には、新しい車検証と任意保険(対人対物が無制限)証券を台数分添付します。
・運賃料金設定届には、自社独自の運賃料金表を添付します。
・一般貨物自動車運送事業の許可条件として、「許可から1年以内に運輸を開始すること」という条件が付されているため、許可後1年以内に運輸開始届を提出しなければ、許可が失効します。
・運転者は、運輸開始日よりも前に「初任運転者適正診断」と「特定の運転者に対する特別な指導」を受講したうえで、「運転者台帳」を作成します。
・運輸開始日から、乗務等の記録である「運転日報」と「車両日常点検表」「点呼記録簿」をしっかり記録します。
営業開始!!
14. 巡回指導(運輸開始から1~3ヶ月以内)
<適正化事業指導員の巡回指導>
・運輸開始届を提出すると、1~3か月以内に各都道府県のトラック協会によって、最初の巡回指導が行われます。
・巡回指導の内容は、営業所、車庫、車両等の現況確認と人員及び資格者の在籍確認、関係法令の遵守状況を中心に行います。
・運輸開始後に営業所、車庫、車両台数等に変更がないか、設備要件を満たしているかなどを確認します。
・運転者台帳、車両台帳が適正に記入されているかを確認します。
・運行管理規程・整備管理規程の完備、点呼記録、運転日報の作成保存、車両の定期点検記録簿の整備など細かく確認されます。
・労務関係が整備されているか(社会保険の加入状況、就業規則等の完備)の確認となります。
・特に、「点呼を全く行っていない」「運行管理者、整備管理者がいない」「車両点検が行われていない」などの違反事実が発覚した場合、指導がなされ、一定期日までに改善報告書の提出を求められます。改善が見込まれない場合は、行政処分の対象となります。
15.変更手続き、毎年の報告
・車両台数をはじめとした事業計画に変更などが出た場合は、その都度「変更届」「変更認可申請」を行う必要があります。
・毎年
7月10日までに「事業実績報告書」
決算後100日以内に「事業報告書」
を提出する必要があります。